漆喰の家に実際に住んで感じたメリット8選

  • URLをコピーしました!

壁紙選びは、材質、グレード、色、柄、アクセントカラーを採用する?など選択肢がたくさんあります。壁の仕上げはいわゆる壁紙だけでなく、純和風建築であれば、砂壁の左官仕上げも選択肢になります。また、一部にガラス素材を使ってモダンに仕上げたり、玄関の壁にすがたみを作り込むこともできます。板張りという選択肢もあれば、エコカラットのような機能性素材を利用することもよくあります。結露や調湿を考慮して珪藻土や漆喰を採用することもあります。これによって部屋の雰囲気が大きく左右されるだけに、新築住居を検討する楽しみが詰まった作業でもある反面、とても悩ましい問題です。

新築の設計打ち合わせでは壁紙選びは終盤になってようやく実施することになります。このため、もしあなたがよくある壁紙ではない住宅を作る可能性を少しでも思われているのであれば、ぜひとも建設会社を絞り込む前に検討をしていただきたいと思います。できるできない、得意不得意もさることながら業者にとって特殊な選択肢になってしまうと高額なオプション費用を要求されてしまうこともあるでしょう。大まかなイメージは持った上で建築業者と打ち合わせされることをオススメします。

筆者の自宅は最終的に全ての壁を漆喰仕上げにしました。壁だけでなく天井も漆喰仕上げです。更には、作り付けの食器棚の内装も、クローゼットの中も、とにかく床と建具以外は全て漆喰の左官仕上げになっています。そんな自宅を建築した筆者の目線で、漆喰内装にしてよかったと思うことを8つまとめてみました。

目次

白い漆喰壁の部屋は明るい

漆喰壁は真っ白で光をよく反射します。しかも表面をラフ仕上げにしているので壁に当たった光が四方八方に乱反射して部屋中に柔らかく行き渡り、部屋全体が明るくなります。

我が家では東と南の二方面から陽が差すこともあり、雨の日以外は日没まで部屋の電気をつける必要がありません。

同じ明るさを得るにも照明の明るさを抑えられるので電気代の節約にもなります。

静電気を起こさない漆喰壁には埃がつきにくい

これまで住んでいた家のビニールクロスの壁紙は意外と汚れており、たまに拭き掃除すると雑巾が真っ黒になりました。また、最初は真っ白だった壁紙もだんだんと黄ばんで来てしまいました。

これは、プラスチックでできた壁紙が経年劣化で変色するだけでなく、壁紙に発生する静電気が空気中を漂う埃を吸い寄せて吸着してしまうからです。

しかし、漆喰壁は静電気が溜まりにくいのが特徴です。そのおかげで壁や天井に埃がつきません。

漆喰は凹凸のあるラフ仕上げで塗り壁ということもあり、雑巾での拭き掃除ができません。このため埃だらけになるのではないかと心配していましたが希有に終わりました。

水を弾かない漆喰壁は結露しにくい

漆喰の表面は多孔質のため、結露した水分が表面にとどまれず、ある程度吸い込まれます。

それほど吸湿性があるわけではありませんので、調湿効果までは期待できませんが、湿度の高い日でもビニールクロスのように表面がじとっとなることはなく全体がサラッとしています。

結露しにくいということは物入れや棚の中を含めてカビが発生しにくいということで、快不快の感覚以上のメリットをもたらしています。

多孔質の漆喰壁には消臭効果がある

それぞれの家には、その家特有のにおいがあります。実家から持ってきた箱を開けると何年経ってもおばあちゃんのにおいがします。それくらいしつこいにおいです。

我が家は新築から数ヶ月間は漆喰特有のにおいがありましたが、引き渡しから数ヶ月後、漆喰が完全に乾いたと思われる頃からは外から帰ってきても、この家特有の漆喰のにおいがないことに気づきました。

それだけでなく、本来あるはずのにおいが殆どしません。

  • 玄関の靴箱はオープンタイプの棚なのに靴のにおいがしない
  • LDKにキッチンのにおいが残らない
  • 寝室に寝具のにおいがこもらない

そのおかげで、鼻が敏感になり、逆にコーヒー豆を轢いたりすると玄関を開けた瞬間に喫茶店のような香りに気づくようになったり、部屋干し臭で頭がクラクラしたりするようになります。もちろんそれらも原因がなくなると程なく消臭されます。

エコカラットという、壁に設置する消臭ボードがありますが、家中の壁と天井をエコカラットにしたような感じです。

アルカリ性の漆喰壁にはカビが生えにくい

これも漆喰壁の特徴の一つです。成分が石灰と同じ強アルカリ性のため、壁についたカビが繁殖しにくいためです。

我が家ではまだ築2年程度ですので、まだこれから観察を続ける必要がありますが、少なくとも今までのところカビが発生した例はありません。

部屋の中の食品にもカビが生えにくい

我が家の漆喰を施工していただいた会社のモデルルームには食パンによるデモンストレーションが行われていました。

30センチ角ほどのアクリル性の箱の中に皿に置かれたパンと水の入ったコップが入っています。正面からはアクリルを通して内部が見えますが、正面以外の壁には漆喰を塗ったボードが設置されています。

箱は2つあり、もう一方には漆喰ボードの代わりに塩ビ製の壁紙を貼ったボードが設置されています。

室温で置かれた箱の中のパンはどうなっていたでしょうか?
壁紙の箱に入ったパンにだけ緑色のカビが生えていました。

実際の生活環境でも食品の傷みにくさは実感として感じることができます。

我が家では、漆喰の壁に棚を取り付け前面に引き戸をつけた、作り付けの食器棚兼パントリーがあります。この中にバナナなどの果物や根菜類もそのまま入れて常温保存していますが、熟しては行くものの、カビが生えて傷んでしまうということは経験がありません。

食品が傷んでしまったという場合はたいてい、冷蔵庫を過信して入れっぱなしにしてしまいカビが生えたというパターンです。

昔の醤油蔵などは漆喰作りの建物が多用されていました。

あれほど暑い中で常温発酵された食品が痛むことなく熟成するのもアルカリ性の漆喰壁が一躍を買っているのだと思います。

漆喰壁は石なので燃えにくい

これも、資産を守ることができる大切な特製の一つです。昔のお金持ちの家には漆喰の蔵が建っていました。これは火事になりにくく中にある財産を保護できるからです。

モデルルームにはこんなデモンストレーションがありました。

棚にガスバーナーがおいてあり、壁を炙ってみてくださいと書かれています。昔、ALCコンクリートを建材に使うメーカーが外壁を巨大なバーナーで炙り、内側に手を当てる、そんなcmを思い出しました。

多くの建物には壁紙が貼られていますので、ガスバーナーで炙ったりすれば、あっという間に大火事になります。

しかし、漆喰の壁は、壁の中の建材が発火するほど炙り続けたりしない限り、表面が焦げる程度で収まります。

火事になりにくいというのは、十人の生命と財産を守る上では、大きな安心感を与える特徴だと思います。

漆喰壁は火事になっても有毒ガスを出さない

漆喰壁の建物でも、不幸にして火事に見舞われる可能性があることは否めません。ただし、漆喰壁を全面的に採用することは大きな利点を生みます。

火事になった場合に、不幸にしてなくなる方で多いパターンは煙に巻かれて逃げ遅れることです。

特に石膏ボードに塩ビの壁紙を貼った最近の新建材住宅の場合、壁が崩れ落ちるまでは時間がかかるものの、プラスチック製の壁紙などに着火してしまうと、一気に燃え広がり真っ黒い煙が立ち込めます。毒性の強いこれらの煙を吸い込むと体は深刻なダメージを受け、避難の妨げとなってしまいます。

その点、漆喰の壁はそれ自体が燃えることがありません。また、石油系の添加物の含まれない漆喰を選べば、熱せられても有毒ガスを出しません。このことが有事の際、住民の避難の手助けになると思います。

まとめ:

漆喰壁を採用するメリットを述べてきました。吸湿や消臭作用に着目して珪藻土などの塗壁と比較されることの多い漆喰壁ですが、それ以外の特性を複数視点で見てみると、やはり漆喰一択なのではないかと私は思います。

ぜひご参考にしていただき、素敵なご自宅を作られてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ガイドのひろです。私は、新築で購入した高層階のタワーマンションを2年で売却。売却益を加えて購入したマンションを4年で売却したのち、土地を購入して漆喰仕立ての3階建て注文住宅を建てました。
一生に三度の自宅購入の経験をもとに住まいと暮らしに関する情報をお届けします。

目次