外壁選び:漆喰を選択するメリット3選

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注文住宅を建てる場合、外壁を何にするかによってその家の持つ印象は大きく変わります。見た目の印象が異なるだけでなく、外壁に何を選ぶかによって、その家の持つ性能や将来必要となる費用も大きく異なることになります。

我が家の外壁には漆喰を選択しました。実際に漆喰の家に住んでみて実感したことを3選にまとめました。

目次

漆喰を外壁にする3つのメリット

全面漆喰塗りの家に住んでみてよかったと思うことは、次のような点です。

  • 漆喰は夏の日差しでも熱くならないので家が涼しい
  • 漆喰には継ぎ目がなくコーキングの打ち直しも将来の再塗装も必要ない
  • 漆喰は個性的で高級感がある

漆喰は夏の日差しでも熱くならないので家が涼しい

 真っ白の漆喰は夏の太陽の日差しを反射する効果があります。この効果は絶大で、漆喰の外壁を採用することの最大のメリットの一つだと実感しています。

直射日光の当たっている自宅の外壁に手を置いてみたことはありますか?

暗い色より明るい色の 方が多少マシというくらいの差はあっても総じて熱い。夏の砂浜で足の裏を火傷しそうになるのと同じくらい熱い。これは、木造住宅で一般的に採用されている窯業系のサイディングボードでもタイル系の外壁でも同じです。

ところが、漆喰の外壁は全く熱くありません。むしろ冷んやりしています。直射日光に晒された部分であってもそうです。

玄関タイルと比べると雲泥の差、真夏の漆喰外壁の温度

我家は南東向きの玄関を持つ、都市型の3階建て住宅で、南東角地に敷地いっぱいに建築しています。玄関前にはタイルの階段上のポーチ、玄関扉の上には庇を出しています。日の出から夕方4時ごろまでずっと陽が当たり続ける環境の立地です。

気温が30℃程度になる初夏の頃、建物の外壁や外溝部分を触り比べてみました。

  1. 南東向きの玄関のタイルが一番暑くなります。夏は目玉焼きが焼けそうなくらい暑くなります。
  2. 次に熱いのが玄関のドアとポスト。アルミ製です。触れていると火傷します。
  3. その次に熱いのが窓ガラス。触り続けることはできますが、じっとりと汗が浮かんできます。
  4. その次が、プラスチック製の雨樋やサッシ。ほんのり暖かい程度。
  5. 最後が漆喰の外壁。わずかに冷んやりしています。そして、日向と日陰の温度差がほとんど感じられません。

温度の上がらない外壁がもたらすものは「木陰のような涼しさの室内」です。

室内は木陰の涼しさ、漆喰外壁の我が家

漆喰塗りの家の暮らしはどのようなものでしょうか。同じく気温が30℃ほどになる初夏の頃、我が家は次のような状況になります。

  • 外気温の上昇とともに室温も上がるけれど、家の中は外気ほどは気温が上がらない。
  • 三階ですら、帰宅時にサウナルーム状態にならない。
  • 窓を開けて空気を入れかえると、2階より風通しの良い三階の方がむしろ涼しい。
  • 陽が落ちて、外気温が下がってくると部屋の温度も自然に下がる。

その結果、我が家では三階の寝室で寝る前に寝苦しさを抑えるために数時間エアコンをつける以外は、扇風機で十分過ごせるエコ住宅になっています。

高機密高断熱で空調効率を上げて小さなエアコンで家中を冷やす・・・のではなく、窓を開けて自然の風と扇風機で「いやぁ、今年も暑いねー」と言いながら猛暑を乗り切る。そんな生活ができています。

漆喰には継ぎ目がなくコーキングの打ち直しも将来の再塗装も必要ない

一般的な窯業系サイディングボードには継ぎ目があります。大きなパネルを貼り合わせて外壁を包むため、パネルとパネルのつなぎ目ができ、その部分にはシリコンゴムなどで埋められています。

定期的な外壁のメンテナンスが重要といわれるのは、ボード表面の塗装が劣化するだけでなく、このコーキングが経年劣化を起こすため、定期的なやり直しが必要であることがその理由です。(最近ではコーキングのないサイディングボードもあるようです。その場合はコーキングの打ち直しが必要ありません。)

漆喰の主成分は石灰岩です。石灰岩を窯で焼いて炭酸カルシウムに変化させ、水を加えて水酸化カルシウムを作ります。これにツナギとなる草の繊維を加えたものが漆喰です。

左官職人さんに塗っていただいた直後の漆喰は大量の水分を含んでいますが、乾いていく過程で空気中の二酸化炭素と反応して、水酸化カルシウムは炭酸カルシウムに戻っていきます。

乾燥が進んだ漆喰の外壁はカルシウムでできた石ですので、それ自体はほとんど劣化せず100年くらいはもつとされています。もちろん、地震などでできたひび割れなどは定期的に埋めるなどのメンテナンスが必要です。そうでないと内部が傷んでしまい結果的に家の寿命を縮めます。それでも、10年程度ごとにコーキングをやり直しや劣化を防ぐための防水塗装が必要になるサイディングボードと比べるとメンテナンスの手間がかからない外壁だと言えるでしょう。

見た目にもパネルのつなぎ目がないので、プレハブっぽさが全くなく、左官職人がて塗りで仕上げた丁寧な作りの家にみえる点も漆喰外壁の良いところです。

漆喰は個性的で高級感がある

漆喰といえばどのようなイメージでしょうか。和風の蔵やお城の壁のように黒い柱の間に白く真っ平な塗壁がある風景を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。

我が家の外壁は漆喰ですが、どちらかというと地中海のギリシャの街並みにあるような真っ白な建物です。コテでラフに塗りつけたような外観です。

周りの家屋が窯業系サイディングボード仕上げである中で際立って個性的です。奇抜なデザインで目立つのではなく、左官仕上げの外壁は、どこか本物感を感じられる雰囲気を醸しています。

漆喰の外壁は白よりもっと白い

太陽の光をキラキラと反射する真っ白な我が家の外観は「白い家」でした。

その後、ご近所に白い外壁の家が立ちました。ホワイトのサイディングボードで包まれた明るい外観のお宅でした。その外壁と比べた時、サイディングボードのホワイトがグレーにみえるほどの差があることに気づきました。

漆喰の白は、白よりもっと白い白だといえます。

漆喰の外壁にはつなぎ目がない

漆喰仕上げは全面左官仕上げですので、もちろんサイディングボードにあるようなつなぎ目やコーキングが存在しません。

継ぎ目のコーキングがシリコンの場合は、経年劣化で段々と黒ずみ、年月を感じるようになっていきます。他方、漆喰の外壁は徐々に汚れがつくことはあっても、古くなっていくことがありません。

漆喰の外壁には繰り返し模様がない

遠目には無地の白壁ですが、近寄るとコテ目が見えてしっかりと陰影があることがわかります。ちょうどチャコールグレーのコートのようです。

工場生産ではありませんので、塗りのコテ模様はランダムで繰り返しがありません。これが安っぽさを消してくれます。

まとめ

機能性、耐久性、外観の3つの面から漆喰仕上げの外壁の良さをご紹介しました。この良さを一人でも多くの方に知っていただければと思います。もし、あなたが自宅を新く建てようと思われるようなことがあれば、その時はぜひ漆喰の家を選択肢の一つとしてご検討ください。

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この記事を書いた人

ガイドのひろです。私は、新築で購入した高層階のタワーマンションを2年で売却。売却益を加えて購入したマンションを4年で売却したのち、土地を購入して漆喰仕立ての3階建て注文住宅を建てました。
一生に三度の自宅購入の経験をもとに住まいと暮らしに関する情報をお届けします。

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