使用済のクレジットカードなどのプラスチックカードが財布の中に溜まっていませんか?
ハサミをいれて破棄する前に、もう一仕事させるのはいかがでしょうか?
この記事では、プラスチックカードをスクレーパーとして再利用するアイデアを共有します。
スクレーパーとは?
スクレーパーとは、何か対象物に押し付けてこすることで、対象物の表面にこびりついた汚れなどをこそげ落とすための板のことです。
鉄のサビやペンキなどをこそげ落とすための通称「鉄の爪」や、食器の残飯やソースを落とすためのシリコン製のスクレーパーなどがあります。
スクレーパーに求められる特徴
適度なしなりを持っていること、硬い材質でできていること、先端のエッジが立っていることが必要です。
また用途に合わせて、対象物の硬度よりは少し柔らかいことが、対象物を傷つけないという観点では重要になります。
これらの特徴を鑑みたとき、キッチンで食器の汚れを予洗いするときに使用したり、ガスレンジのガラストップを清掃したりする場合に使用するスクレーパーとしては、クレカに代表されるPVC製のプラスチックカードを使用することはとても理にかなっています。
クレジットカードの特徴
クレカの材質
一部で金属製のクレカが流行っていますが、一般的なクレジットカードはプラスチック製が主流です。
このプラスチックには主にPVCと言われる材料が使用されています。PVCはポリ塩化ビニルといって非常に硬いのが特徴です。ショア硬度という硬さを図る基準ではD65~85程度とされています。木製のものさしの硬度がD70前後ですので、それと同程度の硬さと言えます。
クレカの厚み
一般的なクレジットカードの厚みは0.76mmです。適度なしなりを持ちながら、曲げや摩耗に強く、長期に使用しても紙製やラミネートパウチなどのカードに比べても端が曲がったり壊れたりしにくい仕様となっています。
クレカのエッジ
クレジットカードの周囲は面に対して垂直にカットされており、その角は90度で丸みはありません。また、材質がかなり硬いという性質も相まって、このエッジを長期にわたって維持することができます。
化学物質への耐性
PVCは化学物質に対して安定しており、油やアルコールに対して強く、日常生活で使用する中でほとんど劣化することはありません。
少ない経年劣化
高温環境では多少変形することがあるものの、通常の使用に対しては非常に経年劣化が少ないのもPVCの特徴です。
このように、クレカなどのPVC製のプラスチックカードは、キッチンで使用するスクレーパーとしてとても優秀で使いやすいものであるといえます。
キッチンでクレカを使用する際に気を付けること
スクレーパーとして非常に使いやすいクレカですが、一点気を付けるべきことがあります。
それは、木製食器や柔らかいプラスチック、テフロン加工のフライパンなどには使用しないということです。
冒頭で述べた通り、PVCは非常に硬くエッジが立っていることから、テフロン加工したフライパンなどを強く何度もこするとテフロン加工の表面に傷をつけてしまう可能性があります。
クレカをスクレーパーとしてキッチンで使う
プラスチックカードをスクレーパとして使用する方法を具体的な例を挙げて説明します。
ガスレンジやIHコンロのガラストップのお手入れ
調理中の鍋が噴きこぼれたり、フライパンの油が飛んだり。ガスレンジのガラストップにはしつこい汚れがこびりつきます。専用洗剤などのキッチンケミカルで落とすこともできますが、食べ物を扱うキッチンではできるだけ強い洗剤などの化学物質は使いたくありません。
そこで利用するのが、「使用済プラスチックカード」と「水」そして「ふき取り用の布巾」です。毎日のお手入れに強アルカリ洗剤などは必要ありません。エコな洗剤として紹介されることの多い重曹やセスキすら必要ありません。
ただし、使う水には秘密があります。ここでは純水を使用します。つまり混じりけの無い純粋な「水」です。
純水はドラッグストアのコンタクトレンズ用品売り場などに置かれている「精製水」を使います。500mlで100~200円で買えます。もしくは、カー用品店でバッテリ補充液を使います。薬局の精製水よりもお得な単価で入手することができます。ただし、その場合は成分を確認し、水以外が含まれていないことを確認してください。
それでは、ガラストップのお手入れの手順です。
フライパンからこぼれ落ちた食材など簡単に拾えるゴミを片付けます。その後吹きこぼれや油飛びなどを絞った布巾で簡単に拭います。こびりついた食材や油などはこの時点では特に気にしなくて大丈夫です。
布巾は、作業後の仕上げ拭きで使いますので、シンクで簡単に洗っておきます。
精製水のボトルから直接、ガラストップの汚れに純水を振りかけます。特に目で見てわかる汚れにはたっぷりかけておきます。このまましばらく置きます。20秒くらいでも十分です。
純水をかけてしばらくすると汚れが溶けだしてふやけてきますので、こびりついている汚れをプラスチックカードのエッジでこする様にして剝がします。
プラスチックカードの端はエッジが立っていますので、こびりついた汚れによく引っ掛かり、効率よく剥がすことができます。またカード四辺は直線ですので、平らなガラストップとよくなじみ、効率よく汚れを落とすことができます。
絞っておいた布巾で剥がした汚れを水ごと拭き取ります。
この方法でガラストップをお手入れすると、洗剤も使っていないのに驚くほどきれいになることに驚かれると思います。
水はなんでも溶かしこむだけのポテンシャルがあります。水道水にはミネラル分などが含まれているため、溶かし込む力が弱く、乾くと輪染みができる原因にもなります。一方、純水は水以外含まれていないため、溶かし込む力が最高に強く、汚れをどん欲に溶かし込みます。
ただし、こびりついた汚れには浸透するのに時間がかかるため、スクレーパーでこそげ落とすのが早道です。金属やセラミックでこするとガラスを傷つけてしまう可能性があります。硬く、エッジが立っており、適度なしなりがあり、かつガラスを傷つけない硬さのプラスチックカードはガラストップのお手入れと相性抜群です。
まとめ
使い終わったクレジットカードや会員証をそのまま捨てるのはもったいない。プラスチックの板として再利用し割れて使えなくなるまで活用し、環境とお財布を守りましょう。